院長ブログ
2011年8月 5日 金曜日
上手な睡眠のとり方

そんな方に 上手な睡眠のとり方をお教えします。
その前に 眠りの量というのは 睡眠の時間×睡眠の深さ・質であらわされ、 睡眠時間が短い方はこの深さと質を確保することが必要です。睡眠には脳を休める「ノンレム睡眠」と体を休める「レム睡眠」があり、この2種類の眠りがゆったり交互に得られることが この睡眠の深さ・質の確保することにつながります。とくに深い睡眠は、入眠後2-3時間で多く訪れるため 睡眠の前半をいかに効率よくとるかということが大事になってきます。
まずなかなか寝付けないという方へ
眠ろう眠ろうとあせると ストレスホルモンであるACTHというホルモンが副腎から分泌されしまいます。このストレスホルモンには、外的から身を守るために睡眠を抑制して体を緊張させる働きがあるため、これが分泌されると なかなか寝付けないだけでなく 深い睡眠を得ることができなくなります。さらにこのストレスホルモンが分解されるのは睡眠中であるため、このホルモンがたくさんでると「分解」するために より多くの睡眠が必要になり、「ストレスがかかると眠気があっても熟睡できない」という すっきりしない状況に陥ってしまうのです。

ここからわかるように、よりよい睡眠のためには
<1>睡眠をとる前には 心身を興奮させないようにすること
が大事です。
後述しますが、同時に
<2>生活リズムを維持する
<3>睡眠の維持の障害になることは避ける
ことも同時に心がけなくてはなりません。
この<1><2>について わかりやすくいいますと
<1>睡眠をとる前には 心身を興奮させない
1)睡眠の2時間前は エキサイティングな本やDVD,TV番組をみないようにする。
2)音・光・温度などの刺激が少ない環境を整える
(寝室のあかりは暗く 激しいBGMをかけることは睡眠前にはさけるなど)。睡眠ホルモンのメラトニンは暗いとよく分泌さ
れます。
3)眠る前にはカフェインなどの刺激物を取らない
4)極端な満腹や空腹は避ける(満腹でねると 肥満になりますしね!)
5)睡眠2時間前からの パソコンやメール・インターネットは避ける。
液晶の画面は ストレスホルモンを出し、交感神経を興奮させてしまうため これから眠気がそがれてしまいます。
<2>生活のリズムを維持する
1)休日も平日と同じ起床時間・就寝時間に
「休みだからゆっくり寝ていたい」「休み前だから夜更かししてもいいかな」と思われるのも無理はありませんが なかなか
寝付けない方、深い睡眠がとれない方には 休日でも同じリズムにしましょう。
2)朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びる
人間の体内時計は25時間周期であり、外界の24時間リズムに適応するためには 毎朝日光の光でリセットしてあげる必
要があります。この体内時計がくるってくると不眠症におちいったり 体調を崩します。また朝太陽の光をあびてリセットす
ることで、夜暗くなって分泌される「睡眠ホルモン」であるメラトニンの分泌がよくなります。
3)朝食は必ずとる
一日の睡眠ー覚醒リズムにメリハリをつけるには、朝の太陽光・エネルギーチャージのための朝食が大事です。さらには
軽い運動があればいうことないです。
<3>睡眠の維持に障害になることは避ける
1)寝酒はさける
アルコールは寝付きはよくしますが 睡眠リズムも狂わし 浅い睡眠が多くなります。どうしても寝付けないなら むしろ睡
眠の質を維持できるタイプの睡眠導入剤をのむほうがベターです。
2)いびき 無呼吸の対処をする
いびきや日中の眠気があったり ご家族の方に「呼吸がとまっている」と指摘されたのなら 専門家に相談しましょう。当
院ではそういった方のご相談にのれる体制がととのっています。
次回は 健康と美容や 学力・仕事力アップのための「理想的な昼寝」について 書こうと思います。
投稿者 池上内科循環器科クリニック